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歩けないという烙印

人にとって、「歩く」ってなんだろう?
装具をつけて歩くことが、「歩く」と言うのか?すたすた歩くことが、「歩く」というのか?

pdc

装具をつけることは歩けないことへの烙印なのか?
杖を使うことは歩けないことへの烙印なのか?

脳梗塞になった利用者様の訪問リハビリをしていると、こんな声をよく聞く↓↓↓↓

「退院して、もう少し身体が良くなったら、装具は外せると思ってた」

リハビリスタッフとして言えば、この方は今後装具を外して歩くことは難しい…。
装具を外して歩いてしまうと、転倒や足首を捻るリスクが高くなる…。
リスクを考えれば、転倒のリスクを説明し、あたかも当たり前のように装具をつけて歩くよう促す。

そして、利用者様は毎回のようにスタッフに聞く。
「歩けるようになりますか?」

なぜ、この言葉が出てくるのだろう?

当たり前である。
利用者様にとって、装具をつけて歩くことは「歩ける」とは言わないからである。

今までは当たり前のように歩いて、外へ行って、車にのって、仕事をしていた。
そんな当たり前の日常が一瞬で変わったのだ。
もう歩けない?それを決めるのは、認めるのは利用者様である。

決めるのはリハビリスタッフではない。
リハビリスタッフは何人もの利用者様や患者様と接する。
脳梗塞になって、車椅子に乗っている方、スタスタ歩ける方、寝たきりの方など、いろんな方と接することで、感覚がおかしくなりがちである。
身体機能や脳梗塞の麻痺のレベルなどで、利用者様のことを判断しがちである。

こんな風に声をかけるスタッフがいる。
「脳梗塞の中では、軽い麻痺なんですよ」
なぜ、その言葉が出てくる?それは慰めの言葉のつもりか?
その方にとっては初めての脳梗塞なのに。
かと言って、何が正しいのか、この方に人として、リハビリスタッフとして何ができるかはわからない。

ただ、はっきりしているのは、スタッフにとっては軽度な脳梗塞であっても、その方にとっては人生の中で一番重度な脳梗塞なのである。
装具をつけて歩くことが、スタッフにとって「歩ける」であっても、その方にとって「歩けない」のである。

リハビリスタッフはもちろん、専門家にとって大事なことは、人としての当たり前の感覚を忘れないことだと思う。